【オープニング】
「さあ、この『オーラの泉』、えー、移動して今日で2回目ですね」太一くん。
「そうですね」美輪様。
「はい、本日のゲストの方でございますけどもね。まさに“天然女優”と」太一くん。
「あははははは」美輪様。
「いう名前がほんと、ふさわしいんじゃないかという方でございますけども。
どんな印象ですか?」太一くん。
「ええ、どんな女優って。彼女を見て宇宙人ですよ!」美輪様。
「ははははは!初めてですか?」太一くん。一同爆笑。
「初めてです」江原さん。
「あ、どんな印象ですか?」太一くん。
「いや、あのー、昔ねドラマ出てたね、イメージがあるから。可愛らしい可憐な、ね。」江原さん。
〔今回お招きした方は・・・ドラマ・バラエティで活躍する天然系女優〕
「だけども同じ宇宙人と聞いて、なんとなくホッとしました」江原さん。にっこり。
美輪様、太一くん、楽しそうに笑う。
「今日、僕ねーやり辛いんですよ。宇宙人、三人ですから」太一くん
美輪様、江原さん、大口を開けて爆笑。スタッフも爆笑。太一くん、困ったような笑い。
「さあ、この方からもメッセージ頂いておりまーす」太一くん
「はい」美輪様。
『「えー、美輪さん、江原さん、今日はよろしくお願いします』と。
『今日はお伺いしたい事が二つあります。
ひとつは4年前に亡くなった母が何か言い残した事はないか、という事』でございます。
『もうひとつは今後、私は素敵な方と巡り合うのか?
少し怖い気もしますが、とても楽しみにしております』という事でございます」太一くん
「楽しみですね」江原さん。
「あ、やっぱり!その、もうこのスタジオにもゲストの方、居るじゃないですか」太一くん
「はい、はい」江原さん。
「ちょっとした、なんかその空気は感じてますか?」太一くん。
「そりゃあ、もうほら。あのいつも美輪さんがおっしゃってるけども。
実はここに来る前からね」江原さん。
「もう昨夜から、はっはっはっはっは!」美輪様。少しくしゃっとした可愛い笑顔。
「昨夜から!もう何となくこう。感じてるわけですか」太一くん。
「そう、お見えになってらっしゃる、はっはっは」美輪様。
画面・パッチリした大きな目の赤ちゃんの白黒の写真。
「今宵『オーラの泉』に導かれたのは、1956年 東京(麻布)に生まれ、
子供の頃、とても甘えん坊だったという、この方です」ナレーター
浅田美代子さんが画面に。今回の内容の予告。
「女優、浅田美代子。彼女をいつも支えてくれた母、順子さんが4年前に他界」ナレーター。
画面・故順子さんと浅田さんの着物姿。誰かの結婚式の時のお写真のよう。
『ケンカするほど仲が良い』という喩え通り、言い争いが絶えなかったという二人。
亡き母からメッセージが今夜、彼女に届けられます」ナレーター。
『国分太一・美輪明宏・江原啓之 オーラの泉」
テロップ〔浅田の自然霊が語る強い性格。母からのメッセージにあふれる涙〕
「浅田美代子さん、『オーラの泉』へようこそ」」ナレーター。浅田さん、軽くお辞儀。
「それでは、これからスピリチュアルチェックを始めます」ナレーター。画面、浅田さんのアップ。
◇1.自分の性格で嫌いなところはありますか?
→えー、意外とさばさばしてる様に見えるんですが
実はうじうじ悩むタイプです。
(へえー全然見えない、と太一くん)
◇2.あなたの好きな漢字を教えて下さい。
→漢字、うん。自分の『美代子の美(み)』。はい
(江原さん、笑顔で頷く)
◇3.気になる数字はありますか?
→えー、“7”ですねー。なんかいつも引越しとか結婚生活とか
大体7年で区切りがつくので。何か7に意味が。引越し、必ず7年経つと引越ししてるんで。
何か、“7”が気になります。(頷く江原さん。笑う美輪様。結婚生活、と太一くん。)
◇4.想像して下さい。あなたはとてもリラックスしています。何をしていますか?
→えーと、土いじりとか花、花を植えたりとか、球根植えたりとか。
まあ、犬と遊んでたりしてる時。(美輪様、頷く)
◇5.想像して下さい。あなたはとても苦しそうです。どんな状況ですか?
→・・あの囲ま、閉所恐怖症みたいな感じで、あのフルフェイスのヘルメットとか、
後なんだろ、あのMRIとか、ああいいうこう きゅーっと覆われると凄い苦しいです。
「ありがとうございました」ナレーター。(はい、と浅田さん。頭を掻く)
服装・画面左手から浅田さん。
浅田さん、黒いトップスに肩の辺りに黒い花の飾り。楕円の濃緑のイヤリング。黒いブーツ。
X字の形のような花のプラチナ?の指輪。真ん中にムーンストーンのような大きな宝石。
黒と農緑の大きな四角を交互に接いだフレアスカート。黒いピンヒール。
太一くん、黒のジャケット、白いTシャツ。薄い小豆色のパンツ
金古美調の華奢なクロスのネックレス。黒い靴。
美輪様、光る銀色の細かく縦に皺加工してある生地大きく開いたVネックのドレス。
横に広く等間隔に細い黒い線が走っている。袖口にも黒いとがった折り返しの飾り。
Y字のネックレス。先は小さい太い輪が連なっているものが三本下がっている。
小さい太い輪が5連になった耳飾。指に銀色の太い指輪。
江原さん、細かい格子の織りが入って横縞に見える墨色のお着物と青銅色の羽織。紐が金色。
浅田さん、席へ。一同挨拶のお辞儀する。
「じゃあ、浅田さん、こちらへどうぞ」太一くん。
「はい!」浅田さん。
「どうぞ」美輪様。
「宜しくお願いしまーす。や、あのー今のスピリチュアルちょっと聞いてましたけど。
僕の印象の中では、やっぱり気になる点もけっこうあったんですけど」太一くん。
「えー、どこ?」浅田さん
「自然と戯れる事、けっこう好きなんですね。
動物だったりとか、土を触ってる事が好きだったりとか」太一くん。
「はいはいはい」浅田さん
「落ち着きますか?けっこう家の周りでもそういう事やって」太一くん。
「前はずっとやってたんです。母がいるまでは
もう犬も居るんで、生き物って大変じゃないですか。ずっと、面倒いつも見てあげなきゃ。
と、仕事が忙しかったりすると、もう花の方はちょっと・・少なめにしました」浅田さん
「でも、まあ、今話した中で、色んなワードが隠れてますからね」太一くん。
「ふっふっふっふっふ!」美輪様、江原さん。
「緊張してませんか?」太一くん。
「すっごい緊張してます!こんな緊張したの、もう何十年ぶり位!」浅田さん。
「なんで、そんな緊張するんすか?」太一くん。
「あ、江原さんとは初めてですしー、いつもこの番組、好きで見てるんですけど」浅田さん
「あ、そうですか」太一くん。
「前世とか、やっぱり亡くなった母の事とか。こう何か怖いですね」浅田さん
「うん、聞くのが。美輪さんとは?」太一くん。
「私はもう、長いわよねえ。仕事で。でもね、不思議なのはね。
よく考えてみたらプライベートで話した事って一度も無いのよね」美輪様。
「そうですね」浅田さん。
「一度も無いの。仕事場で顔を合わすだけなの」美輪様。
「今も一緒になさる時、あるんですよね?」太一くん。
「たまにからくり」浅田さん。
「からくりとか、ふんふんふん」太一くん。
「好きで、あの時間があったら『黒蜥蜴』とか。すごい好きなんですよ、舞台」浅田さん
「観には行ってるんですけど、プライベートで話すっていう事は」太一くん。
「無いの、考えてみたら」美輪様。
「そうですね」浅田さん。
「でも、美輪さんの中では、プライベートは喋ってるんですよね。頭の上の方では」太一くん。
「昨日も、家へ訪ねてらしたのよ」美輪様。
「ええ〜!」浅田さん。口を開けて驚く。
「はっはっは」美輪様。
「昨夜、夜遅くですか?」太一くん。
「うん。今までのその気にしてた美代ちゃんの事を、あのどういう人だとかなんとか。
『ああ、明日、美代ちゃんだな』ったら、ふーっといろんな事がね、ずーっと。
『ああ、宇宙人だったんだ』、ふふふ」美輪様。
「それを感じて宇宙人だったんだってって、わかったわけですか」太一くん。
「世間ではさ、変人だとか変わってるとか言ってるじゃない。彼女の中では常識なのよ」美輪様
「ほー、あ、なるほどねー」太一くん。
「常識のね、物差しが違うのよ」美輪様。両手の人差し指を平行にして。
「普通の人達とは」太一くん。
「うん、普通の人達とは。この地球の一般人の常識の物差しと。
んで、宇宙人の常識の物差しの。だから彼女は当たり前のことを発言してるの。
それで、『なんで、おかしいの?』って事があるのよね」美輪様。
「はーい」浅田さん。
「ハハハハ、今乗っかりませんでした?」太一くん。
「すごいよかった。味方居て」浅田さん。ほわんとした笑顔。一同爆笑
【「美」という漢字が好き】
「えー、まず好きな漢字が「美しい」。これは、えーと、なぜですか?」太一くん。指で字を書くように。
「なぜ?って言われると、ま、書き慣れてるっていうのと、まあ、なんとなく」浅田さん。
掌に指で字を書く。
「美しいものが好きだからじゃない?」美輪様。頷く江原さん。
「はあ〜、あっ!そうかな」浅田さん
「お花も含めて」美輪様。
「はいはーい」浅田さん。
「全部、着るものも何にも色んなものでも」美輪様。
「はいはーい」浅田さん。
「その自分の好きな漢字っていうのにも、パワーとか
何かそう言うものっていうのはあるんですかね?」太一くん。
「だから“文字”っていうのは、その文字のその力ってありますよね。
“言霊(ことたま)”とか“音霊(おとたま)”とか同じように文字にもあって。
で、まあ『美しい』っていうね、『美』(び)ですからね。
よく私は神の事を『真・善・美』って言ってるんですね。
その『美しき事、善き事、真(まこと)』だから要するに“真理”。これはすべて神なんですよ。
だから、そういう神への憧れっていうのも人間は抱くから、『美しい』っていう字とかに
魅かれるって事はあるかもしれませんね」江原さん。
「うーん」浅田さん。
「美輪さんもですね。『美しい』という字」太一くん。指で字を書くように。
「に『車輪の輪』でしょ。」美輪様。
「『車輪の輪』っていうのは」太一くん。
「この世の中は全部、宇宙はみんな回ってるの、輪なのよ。
六道輪廻(りくどうりんね)」美輪様。指を大き丸く回す。
「六道輪廻(ろくどうりんね)」太一くん。
「りく、六道輪廻って言うんだけどね。その自分が畜生、修羅、人、天色々あるんだけど。
それが人間ってのは、廻って生まれ変わり死に変わりして、これも廻ってるの。
全部“輪”なのよ」美輪様。手を縦にくるくる回す。
〔六道(仏教用語)・・・生存中の行為の善悪の結果として
衆生がおもむく六つの世界。地獄・飢餓・畜生・阿修羅・人・天〕
「それでこの“美輪明宏”ってのは、拝んでる時に神様から授かって。
で、字画調べたら完全な字画だったから。で」美輪様。
「神様が“美輪”にしなさい、っていうような事が」太一くん。
「そうそう、『美しい』っていうのと、『輪』っていう字が出て来たの。
それで、『あ、なるほど。これは授かった字なんだ』っていうんで、
周りの反対押し切って変えちゃったのよ」美輪様。
「へえー」太一くん、浅田さん。
「だから、美代ちゃんも何か、それ言われがあるのかもね。
そういう、その『美しい代の子』って付く」美輪様。
「はあい」浅田さん。
「言われ無くして名前は付かないのよね」美輪様。
「やっぱり、すごいパワーを。あるのかもですね。その名前に」太一くん。
「小っちゃい頃はね、あんまり好きじゃない名前だったんですよ」浅田さん。
「何でですか?」太一くん。
「いや、時代劇とか見ても、だいたいお女中さんとか、ははー。
そういうので“美代姫”とかいうのは絶対居なくて」浅田さん。
「でも、お美代の方っていうの」美輪様。
「なるほど」浅田さん。
「いうね、必ず、そういう役だったんだか。だから何だか」浅田さん。
「スター性を秘めた」太一くん。
「姫っぽい名前がいいなあって、うん」浅田さん。
「ほおー」太一くん。頷く浅田さん。
「後、画数もね、色々とその人合ってるかどうかっていうのも、やっぱありますからね」太一くん。
「ふっふっふ」美輪様。片手で顔を覆い気味に笑う。
「これは今。何で、笑ったんすか?」太一くん。
「いや、いい」美輪様。手をひらひら振る。意味深な笑顔。
「いや、美代ちゃんはちゃんとそういう名前になってるのよね」美輪様。
「あっ、そうですか?」浅田さん。
「『奇人変人』っていう画数なのよね」美輪様。前のめりになる浅田さん。スタッフ微妙な笑い声。
「そうなんですか?『浅田美代子』というのは、もう奇人変人の」太一くん。
「そうそう、そうそう」美輪様。
「ええーっ!」浅田さん。笑顔ながら少し首を捻る
「だからね、あの、ごめんなさい、先に言っちゃうけど。お先に失礼」美輪様。
「いえ、いいえ」江原さん。
「彼女ね、あの自分で収拾つかないのよね。自分の性格が」美輪様。
「失礼・・。あ、そう・・」浅田さん。上の方を見る。
「あのね、複雑怪奇なのよね」美輪様。
「ああー!そうですね」浅田さん。
「凄い複雑。『この人はこういう人なのよ』って決められない人なの」美輪様。
「ああー!そうですね」浅田さん。両肘を抱える。
「色がいっぱいあるのよ。だからね、赤なら赤い色とかね、ピンクならピンクとかね
緑なら緑の人って決められないの、美代ちゃんの場合は」美輪様。
「へえー」太一くん。
「だから、自分がそれで、そういう人間だって決めようとしても
『いや、違う』っていう別の顔がパン!と出て来るから。いつでも、もうほんとに
『誰か助けてよー』って位に落ち込んでみたりね。次は『まあ、いっか!』ってしたり
パッと諦めちゃってね、もうどうか悩んだ事が周りが心配してた人が
『ええ?どうしたの』って言う位に自分でパッとね、チャンネル切り替えてみたりとかね」美輪様。
「心当たりありますか?」太一くん。
「何となくわかる」浅田さん。
「何となくわかる」太一くん。
「で、疲れたりするんです、すごく」浅田さん。
「そうでしょ」美輪様。頷く浅田さん。
「ずーっと考えてた事に。人との接し方でも、こう疲れたりする時ある」浅田さん。
「気遣うのが嫌なのよ。疲れちゃうのよね」美輪様。
「そうなの、そうなの」浅田さん。
【周期が「7」】
「数字の『7』が気になると。もうちょっと具体的に教えてもらいたいんですけども」太一くん。
「『7』で、だいたい引越しもよく考えると7年住んだ後に引越しですね」浅田さん。
「それ、別に決めてるわけじゃないんですよね」太一くん。
「じゃない、偶然。でー、結婚も7年なんですね」浅田さん。
「7年」太一くん。
「周期が『7』なのかなあ?と思って。今まで3回位引っ越してるんですけども
全部『7』。7年経って、8年目に引っ越したりとかしてるんです」浅田さん。
「え、自分にとって周期みたいなものってあるんですかね?その数字によっての」太一くん。
太一くん、腕を軽く回感じ。江原さん頷く
「やっぱりそれぞれ違いますけども。あのーだから本当に・・
ある程度ね、年数生きていらっしゃる方ならば多分、あの浅田さんとお同じようにね。
だいたい何年周期でこう、動いてるなっていうのが、あの解かると思う。
これ、本当に千差万別ですね」江原さん。
「へえ〜」浅田さん。
「うん、人それぞれ違います。でも、そう偶然にとかにとおっしゃるけれど。
でも先程の美輪さんの話じゃないですけどね、常に。
本当に先程のスピリチュアル・チェックは嘘じゃなくて、ほんとに、よく悩むんですよね」江原さん。
「はい」浅田さん。困った表情。
「悩まれるんだけども、最後は放り投げちゃうんですよね」江原さん。
「そう!」浅田さん。にやりとする。
「まあ、いいっか、っていう」太一くん。
「だから、あれだけ悩んでる割には、最後どうでもいい結論出してるな、っていうのがね」江原さん。
「ははは!」浅田さん。美輪様、太一くん、吹き出すように笑い。
「私がよく友達に言われるのが、すっごい悩んでるじゃないですか。
で、だいたい、ガー悩んでて。ほんとに大事なこの、もの、事はすぐタンスに仕舞い込むって。
自分が面倒くさい。そういう事してるから、いつまでも解決しない、と」浅田さん。
「そのタンスは一回仕舞ったら開けないですか?」太一くん。引き出しの取っ手を引く仕草。
「うん、多分」浅田さん。笑ったあと照れくさいような表情。一同爆笑。
「なるほど」太一くん。
「だからね、あの美代ちゃんにね、あのふさわしいようなね。例えば釣り合いの人は
芸術家タイプの、そういう満々でーでね。同じような波長の絵描きさんや彫刻家なんか。
そういう人に巡り合う機会が無いのよ」美輪様。
「そうなの。そうなの、なんて。ごめんなさい」浅田さん。
「芸術家と一緒に居る姿が、全然なんか」太一くん。
「あ、そんな事ないですよ。私、アーティストの人が好きなんです、うん」浅田さん。
「それは、自分にない」太一くん。
「作ってる人」浅田さん。
「尊敬出来る部分」太一くん。
「はあい」浅田さん。
「だから、そういう人が好きなんだけど。そういう本当に巡り合わせとか、
そういう人達が周りにいないのよ。繋がって行かないのね。美代ちゃん、それ望んでんだけど。
うん、音楽家はね。ちょっと、そのわかってない人が多いから。あの、ごめんなさい」美輪様。
ぷーっと誰か笑ってる。
「はい、間違えました」浅田さん。あっけらかんとした笑顔。
「前回もあったのよね」美輪様。
「はい、前回」浅田さん。
「それ、違いました?感じました?」太一くん。
「はい、ふっふ」浅田さん。にっこり。
「すぐに出会いますよ」江原さん。
「ほんとですか!?」浅田さん。
「で、出会うんですか!」太一くん。パチパチパチと美輪様、拍手。
「ずっと先だけど」江原さん。浅田さんも拍手。
「ずっと先って?こ、これからもっと」浅田さん。
「いいじゃないですか。最後、独身じゃなきゃいいでしょ」江原さん。
参ったなという感じの笑顔の浅田さん。
「ははははは」美輪様。
「どの位先か、聞けばいいんじゃ。どの位ですかね?」太一くん。
江原さん、じっと自分の足元の方を見る。
「・・・・・・それもまた不思議だけど、7年位先ね」江原さん。
「今から、まだ7年も待たなきゃいけない」浅田さん。突っ伏す。スタッフ笑。
「あっという間ですよ〜」江原さん。
「そうよ」美輪様。
「そうですね〜」浅田さん。
「まだ、見えない旦那さんですけども、何かちょっとうきうきして」太一くん。
「結婚はしないですよね、もう、そんな歳になって」浅田さん。
「そりゃ、します!うん」江原さん。軽く首を振って。
「いひっ!」浅田さん。満面笑顔、両手で口辺りを覆う。
「あははははは!」太一くん。
浅田さん、右手で太一くんの肩辺りを思い切りバシッ!と叩く
「いてえ!!」太一くん。思わず肩を押さえる。一同大爆笑。
「すっっげえ。す、すごい力でしたよ、今」太一くん。動揺する。一同まだ大爆笑。
「思い切り、はははは」美輪様。
「ちょっと喜んだ顔、可愛かったですよ、今」太一くん。
「いいです、いいです」浅田さん。両手でぱたぱた顔を仰ぐ。
【土のパワー】
「リラックス出来るのは、『土いじり』」太一くん。
「うん、好きですね。うん、土っていうか植木?とか」浅田さん。
「はいはい」太一くん。
「花?を育てたりとか、そういう」浅田さん。
「これは完璧に自然霊が、やっぱり関係してる」太一くん。
「関係するし、やっぱり土自体にもパワーがありますしね」江原さん。
「土自体に、パワーがあるんですか!へえー」太一くん。
「もちろん。やっぱり土が癒してくれますからね。
で、土はやっぱり育てる、待つでしょ。あの、作物とか」江原さん。
「ええ、ええ、ええ、そういう部分のパワーも」太一くん。
「じゃあね、私ね。いつも色んな所引っ越すんですけど、
植木が必ず、すごく育つんですよ」浅田さん。
「これ、なんか意味がありそうですね」太一くん。楽しそう。
「すごい嬉しいんだけど、それ」浅田さん。
「うん、それと、後あのー、自然霊ね、フェアリーとかね。関わり深いのと、
浅田さんの場合はね、人霊よりも、そういう人達の方が仲良しになれるんです。
自然霊とかの方が。動物もそうだし」江原さん。
「はあ〜〜、わかる、うん」浅田さん。
「どっちかって言うと、人霊が一番あんまり合わない」江原さん。俯く浅田さん。
「ふっふっふ」美輪様。
「だから色々と悩んだりすると、また色んな人にまた喋るんですよね。
そのわりには最後には土いじって自分で結論出してたりね」江原さん。
「はい、はい」浅田さん。
「でしょ。後は、あの動物とね会話して決めたりとか」江原さん。
「はいはい」浅田さん。
「人間の友達よりも話し相手になってるっていう」江原さん。
「そうですね」浅田さん。
「人間は面倒くさいものね」美輪様。
「うーん」浅田さん。こくりと頷く。
「面倒くさいですか。人間は」太一くん。
「うん」浅田さん。にこっとまた頷く。
「7年周期で変わればいいか、位の」太一くん。
困ったように太一くんと反対の方向に体を向ける。
「あはははは」美輪様。 スタッフ笑い
「あ、お母さんの影響みたいなのもあるんですか?
その植物を大切にするとか、そういうの、その」太一くん。
「そうかも」浅田さん。
「いや、お母さんを尊敬してたのよ、うん」美輪様。
「その割には、話が合わなかった」江原さん。横に首を振る。
「そう!いっつも」浅田さん。
「ほんとに、何一つ意見は合った事は無い」江原さん。
「そうなんです」浅田さん。
「はっはっは!」美輪様。
「それでいて、これほど、どうして親子なのに解り合えないのか、っていうね」江原さん。
「そうです、全然違ってました」浅田さん。
「心配で心配で、しょうがなかった。で、もう本当に。
あ、後で話した方がいいですね」江原さん。目を瞑って開いて。
「ええ?!」浅田さん。
「ちょっと長くなりそうな感じですか」太一くん。頷く江原さん。
【狭い場所が嫌い】
「苦しがってる状況というのは狭い所、閉じ込められてる所」太一くん。
「閉所恐怖症みたいになっちゃいうんですよ」浅田さん。
「それ、MRIとかですか?」太一くん。
「もう、怖いですね!もう目瞑って、絶対開けられないですね」浅田さん。
「あー、そうですか。へ、ヘルメット、フルフェイスの」太一くん。
「顔にこう、カポッってなっちゃうと、もう」浅田さん。顔を横から包むように。
「どうなっちゃうんですか。もう、ワーッ!っとなっちゃう」太一くん。
「そう」浅田さん。
「閉塞状態が嫌なのよね、縛り付けられたりね」美輪様。
「そうですね!」浅田さん。
「そういうものがね。締め付けられるっていうのが大嫌いでしょ」美輪様
「そうです。大嫌い」浅田さん。
「コルセットだとか」美輪様。
「ああ、だめ」浅田さん。
「だめでしょ」美輪様。
「昔、くっだらないんですけども。コマーシャル、なんかの撮影で、こう暖簾から手を開けて
こういう写真を撮らなきゃいけなくて。いちいちこうやっても、上手く行かなくて。
私ね、ガムテープで貼られちゃっったんです!手を」浅田さん。一同大爆笑。
手を挙げて、動きを止めて貼られた、という仕草。
「はっはっはっは!」美輪様。大口で笑い、片手で押さえ切れないほど笑い。太一くん、突っ伏す。
「もう、ザアー、ヒャアーって汗を掻いちゃって。居られないんです。
こう、付けられてるだけで自由が利かない」浅田さん。太一くん、ボードを叩く。
「凄い、それ」太一くん。
「そう!すごいでしょ!」浅田さん。江原さん、笑い過ぎてむせている。
「する方もする方ですけど、それで耐えているのも面白い」太一くん。
「ポスターかなんかで。絶対、この位置じゃなきゃ駄目っていうんで。
こう何回か、こことここくっつけられたんです」浅田さん。
「ガムテープで、すっご。これもちょっと前世に関係する事なんですかね?」太一くん。
「浅田さんの場合は違います」江原さん。
「あ、違うんですか」太一くん。
「前世は前世で別にあるけれど。
あのね、どっちが原因っていうと前世ではない方が見えて来て」江原さん。
「ふうん?」浅田さん。
「お産」江原さん。
」お産」太一くん。
「お産、あのお腹にいた時の状況と、あと生まれる時のお産」江原さん。
「ああー」浅田さん。
「それが、けっこう出るのが大変だったって見えますよ」江原さん。
「凄い、言ってましたー。凄い大変で陣痛も凄くって。もうとにかく大変で、
生まれた時に顔がビョーンって伸びてて、母親は『私の子じゃない』って思ったんだって。
一日二日経ったら、パーンって戻った、いうのが、よく」浅田さん。にこっとする。
「なるほど。顔がパーンと戻ったと」太一くん。
「だから、それが要するに、そんなね赤ちゃんの時のあれが、トラウマになるんですよね」江原さん。
「へえー。その生まれる時のトラウマってあるんすか」太一くん。
「しょちゅうあるのよ。もう、生まれる前からあるの。お腹に居る時から」美輪様。
「居る時から。でね、出て来て来たくなかったのね、すぐ」江原さん。
「えっと、浅田さんがですか」太一くん。
「だからね、この世に生まれる自体ね、何ていうかね、嫌だった、というか」江原さん。
「これ、何で嫌だったんですかね?出るのは」太一くん。
「うん、だからね。もちろん『生まれて来たい』という気持ちがあって、
この世に出て来たんだけれども。で、やっぱり元々の魂の質がね、
やっぱり中々出た所で自分に合わない質っていうかね。
さっき言った人霊があまりうまく合わないっていうのと一緒で。
そこでちょっと怖気付く、というかね恐れたわけなんですよ」江原さん。
「へえー」浅田さん。
「あの、それこそお母さんとかから聞いてるか、あれだけども。本当に赤ちゃんの時から、
扱いにくい子だった浅田さん。おっぱい飲むんでも、あのグズッたり、飲まなかったり、とかね。
それ、ちょっと赤ちゃんの時から手掛かったって、お母さん言うんです」江原さん。
「ああ、お母さんが、ほおー。ま、ちょっとお母さんのは、ちょっといっぱい出て来そうですけど。
じゃあ、まずオーラのカルテを作って行きましょうか」太一くん。
「はい」浅田さん。
【浅田美代子・オーラのカルテ】
「まず、えー。浅田さんのオーラの色はどんな?」太一くん。浅田さんの方に手を差し伸べ。
「いや、それはもう、さっき美輪さん、おっしゃってて。まあー様々な色を持ってます。
それでいて、やっぱり、あのちょっと個性的な人にやっぱり多い色なんだけれども。
シルバーがこうあるんですね。シルバーから黄色っていうね、ちょっとグラデーションになってて。
それでいてグリーンの部分があるから、やっぱり元々はのんびりするのも好きっていう所あるんです。
と、思ったら赤もあるんですよ。せっかち、短気、ね。だからほんとに
さっきほら、どれが自分だかわかんないって言ってたけど、それが見事に現われていて。
ま、見ようによってはきれいですよね。その色んな様々な色合いが」江原さん。
手振りで広がってるさまを表しながら。
〔シルバーのオーラ・・・古風で地味〕
〔黄色のオーラ・・・ひょうきんで朗らか。〕
〔グリーンのオーラ・・・無欲でのんびりや〕
〔赤のオーラ・・・情熱的・せっかち・短気〕
「綺麗な色ですよね、虹色」美輪様。
「虹色。だからね、どれもが強いんですよ」江原さん。
「んー」浅田さん。太一くん。同時に。
「うん、だからご自身をちゃんと表現して生きてらっしゃるんだなーとは思うんです。
どっちかっていうと閉塞的になる人っていうのは、ほらもっとこう。なんて言うのかな?
小さいって言うと変だけども。だから、こうやってワッと放ってるから、って事は
やっぱり、そうは言いながらも悩んだり気遣ったりとか言いいながら、
言いたい事言ってやりたい事やってるなっていう感じですね」江原さん。
「ほおー、うん」浅田さん。笑顔で頷く。
「なるほど。さあ、そして守護霊さんは」太一くん。体勢を直す。
「あら」浅田さん。
「なんですけどね、ちょっと守護霊さんを申し上げる前にね、・・・
やっぱり不思議だな、と思うのはね。どっちかと言うと自然霊の働きの強い人なんですよ。
でいて、あのー誤解の無いように聞いて下さいね」江原さん。
「はい」浅田さん。
「あのね、どういう訳か現世では、あの何か、それを言うと嫌う人がいるから。
不思議なんだけども、そういう悪い事では全然無くってね。
実はさっきからずっと、低い霊じゃなくて、高い方の狐霊(これい)、お稲荷さん」江原さん。
「はいー」浅田さん。
「っていうね、そういう霊体がね幾つも見えるんですよ」江原さん、上方に視線を左右に動かす。
「えーー・・」太一くん。
「ちょっと待って」江原さん、左右に顔を揺らした後、首を軽く縦に振って数を数えている。
「そんなに?」浅田さん。
「いや、8体位かな。こうね、何っつったらいいんだろう。
白い炎みたい。フッフッっとあの」江原さん。
「“狐火”っていうの」美輪様。
「炎、フッとこう出てるんですよねで、ずーっとね、最初から実は出てて」江原さん。
手で浮いて漂っているように。
「はあ」浅田さん。
「独特の言い方なんですけどね。誰しもね、ある種、自然霊のね
“霊系”ってもの、持ってるんですよ。うん。で、それが浅田さんの場合は
稲荷系のそういうエネルギーが強い人なんだな、っていうのがあってね。
そういう霊が憑いている事は、決して悪い事ではなく」江原さん。
「あ、悪くないんですか」浅田さん。
「うん!もちろん。ただ、こう一つだけね、そう高級霊ですよ、高級霊だから。
その霊は悪くないんだけれども、そういう霊系の人だけ注意しなくちゃいけないのは、
あのねやっぱり『口は災いの元』なの」江原さん。
「ふっ」浅田さん、思わず笑い、納得してるように頷く。
「うん。わりとね、自分は何の無意識に色んな所で要らぬ事言ったりするんですよ。
自分、全然気にしてないの」江原さん。
「はい」浅田さん。心当たりのあるという感じの笑顔。
「うん。でも『人の口は戸口立てられない』から。だからそういった事で、
あの『浅田さん、この間こう言ってたよ、あなたの事』とか言われちゃって。
妙にもめちゃったりとか」江原さん。手をぱたぱた左右に振る。
「はあい」浅田さん、神妙な面持ち。
「そういう事で、自分は『私、そんな事言って無いんだけど』って」江原さん。
「はーい・・」浅田さん。うんうんと頷く。
「言ってるの、実際そこで」江原さん。
「ふっふふふふ」浅田さん、顔を手で覆って体を前に倒す。スタッフ笑。
「はっはっはっは」美輪様。
「覚えてない」江原さん。元に戻る。
「はあい」浅田さん。
「悪気が無いから」江原さん。
「はあ」浅田さん。頷く。
「全然。で、そういう稲荷系の人ってひょうきんですよ。ひょうきん、朗らか。
で、おっちょこちょい。うん。だから、わりと個性みたいなもの出たりね、して」江原さん。
画面・左と手前に山並み、右半分辺りに雲海漂う。
「自然霊とは、この世に肉体を持って姿を現したことのない霊を言います」ナレーター。
画面・山をバックに天狗、稲荷の狐の石像。龍神の絵。
「いわゆる、“稲荷、天狗、龍神”などは自然霊なのです。
人間の守護霊を調べてみると、こういった自然霊が憑いている事が有り、
自然霊の系統を“霊系”と呼びます」ナレーター。
〔霊系・・・守護霊としてついている自然霊の系統〕
「龍神がついていれば、その人は“龍神系統”、稲荷霊なら“稲荷系統”で
その系統によって様々な個性が現われます」ナレーター。
〈江原啓之著「人はなぜ生まれいかに生きるのか」より〉
「それとね」江原さん。
「はい」太一くん。
「あと、もう一人。守護霊、あの中心になる守護霊、って人なんですけどね。
あのね、日本の方でね、昔のね。さっきね、私それ、またびっくりしたんですけどね。
美輪さんがね、名前の事話した時にね。『お美代の方』っておっしゃいましたよね」江原さん。
「うんうん」美輪様。
「そういうね」江原さん。
「『お美代の方』っていうの、居たの。うん」美輪様。
「おっしゃったんですよ」江原さん。
「はい」浅田さん。
「そういうね『お方様』」江原さん。きょとんとする浅田さん。
【守護霊:お方様(大奥に仕えた女性】
「『お方様』って、大奥の、例えば側室っていうのはお妾さんとかね。
あの例えば上の上臈(じょうろう)っていうのはね、臈(ろう)たけたっていう字書くんだけど。
女の人でもえらい人がいっぱい居たわけ、大奥に」
〔上臈・・・大奥の職名。高級の御殿女中〕
「はい、はいー」浅田さん。
「そういうの、何々の方、お美代の方とかね。お万の方、お殿(でん)の方とか
いっぱいいたじゃない。そういうもので、『お美代の方』っていう事なのよ。そうおっしゃる」美輪様。
「そうなんです。それでいて、要するに昔」江原さん。
「お引き摺りさん」浅田さん。うんうんと頷く。
「そうです。そう」江原さん。
「内掛けのね」美輪様。
「こういった所でも、やっぱり勘がいいでしょ。こうしただけでパッと出るでしょう」江原さん。
「あはー」浅田さん。
「ね!だから、そういうインスピレーションなんですよ。ですからね、
そういうような方がいらっしゃって。さっきね、どっちかな?って悩んだって言いましたでしょ。
胎教の事と、その閉所恐怖症がね。要するに閉じ込められるのが大っ嫌いな人なんですよ。
型に嵌められるのも、大嫌い」江原さん。
「はい」浅田さん。
「『こうしなさい』って言われるのも大っ嫌い。そういう人だったの、その人自体が。
で、その方がだから守護霊でもあるけれども、前世でもある」江原さん。
「へえー。守護霊でもあるし、前世でもあるんですか」太一くん。
「そうです」江原さん。
「じゃあ、やっぱ。あれですか。お母さんもついてる」太一くん。
「そうです。でも、それはもちろん、守護霊と違いますよ。それはもう、それはずーっと
先程からいらっしゃるの、ずっと、居てて。で、・・・・・(目を閉じ、すーっと息を吐く音、7秒沈黙)
あのね、何せねーさっきからね、その伝えるまで、
そのこっちにあんまり入れないようにしてたんですよね。私、お母さんの事。
なぜかって言うと、お母さんが未だに、まだすごく感情的なの。
感情的って言うのは、すごくあの泣かれてね、それでいて。あのあなたの事、やっぱり
子どもだから可愛いわけなんですよ、ね。可愛いんだけども、とにかく、
要するに気持ちがこう中々、通い合うというか、解り合う事が出来なかったと。
それでいて、お母さんがここ出て来るのにもね、まず最初に、こういう事言うんですよ。
まず謝るのね。何謝るかって言うとね。
『私がこんな所来ちゃって、ごめんね』って言うんですよ」江原さん。
「へえー・・」浅田さん。
「ね。どうしてかって言うと。浅田さん、自分でしょっちゅう言ったのわかります?
お母さんの事『お母さん自身、私とは全然違うし』とか『お母さん、みっともない』とかね。
あのお母さんをわりとそういう風に『やだ、もうそんな』。ごめんなさい、言葉が悪いんだけれども
『そんな貧乏ったらしい恰好しないで』とか、ね」江原さん。
「うん、うん」浅田さん。
「お母さんは、その何て言うの、全然飾るとか、そういうようなタイプじゃないしね。
それでとにかく、『堅実、堅実、堅実』って言って生きて来たでしょう。
そうすると、あなたの側にいる事が迷惑だと思ってるの、基本的にね。
だからその、あなたの考えと違うし、あなたの華やかさ、中々理解出来ないしって。
お母さん、それずーっとそれ口癖で言ってたと思うんですよ」江原さん。
「はーい・・」浅田さん。小刻みに頷く。目が潤んでいる。
「そうでしょ。だからお母さんは、このここは『現世』でしょ。だけど、ここの場所スタジオでしょ。
ここに皆さん、で、皆さんいらっしゃる所に『私のような人間が来ていいの?』って、
いうような、『ごめんね』って言って来てるんですよ」江原さん。
「晴れがましい所ね」美輪様。
「ええ、気を遣うわけ」、ね江原さん。
「気を遣う・・」浅田さん。
「その気を遣う事がまた、イライラして嫌だったんでしょ?」江原さん。
「うん、よくケンカしましたね」浅田さん。
「でも、お母さんの立場からしたら可哀想、ね。だからもっと自分の母親らしく
何か、こう同じような趣味を持って。もっと聞くね、よく他所のお母さんと娘とか見てるとね
友達みたいに楽しんだりしてるんだけど、うちは出来ないみたいな感じでね、言ってて。
で、お母さん、すぐ遠慮するって、そうやって卑下するような事言うと
また『やだ』っ言って。どっち転んでも嫌な事言われるのね。
ただね、・・・・・(江原さん、再び目を閉じ)やっぱりね。
正直、お母さんは・・・・『やっぱり理解出来なかった』って」江原さん。
「私をね、はい」浅田さん。
「最後まで理解出来なかったって、うん。『あなたとの想い出はケンカばっかりだ』って」江原さん。
「でも、ほんとしましたね」浅田さん。こくっと頷く。
「だから、ケンカがもうコミュニケーションになっちゃってたでしょう」江原さん。
「そうですねー」浅田さん。
「でね、そのお母さんにね。聞いてらっしゃるから言うけども。
さっきからの話を聞いてて、おわかりになった筈よ」美輪様。
「そうそう」江原さん。
「っていう事は、だから一般ピープルみたいな人達は赤色、青色ってだいたい分類出来るのよ。
あなたの場合は分類の範囲が物凄く広いから。だからそういった所で理解出来ないのよね。
うん、だからあのそれは、あのお母さんが理解出来なくて、当たり前なのよ」美輪様。
「何かね。ええ、型に嵌め込もうとするっていうか、真面目な」浅田さん。
「そうそう」美輪様。
「だから」浅田さん。
「真面目でしょ」美輪様。
「ちゃんとした生活を求めて。
でも、『私はもう離婚もしてるし、いいじゃない』って言っても」浅田さん。
「いや、その前からよ。少女時代からそう」美輪様。
「子どもの時もそうですね、少女時代から」浅田さん。
「時代からそうでしょ。ただお、母さんにね、言って差し上げたいのはそう言いながらもね、
その一般ピープルの常識的なキチッとしたものや
何かの価値観はあなたはわかってはいたのよね」」美輪様。
「そう」江原さん。
「解ってはいて、尊敬してる部分もあったでしょ?お母さんの事。
『でも、私は違うのよ』と」美輪様。頷く浅田さん。
「ええ、出来ないんですね」浅田さん。江原さん、目を閉じ、少し眉間に皺を寄せている。
「『私は出来ないし、違うのよ。私は別なの』、ね」美輪様。
「うん」浅田さん。
「だから『別なの』っていうのを理解して欲しくて。理解出来ればよかったんだけども
お母さんは、あの普通の方で、常識的な方だったから理解出来ない。で、だから、
そのズレがあっただけで尊敬はしてたっていう事を、お母さまに言った方がいいわよ、うん」美輪様。
「はあ」浅田さん。下の方を見ながらうんうんと頷く
江原さん、目をずっと閉じたまま。
「それを、そのお母さん自身はね、わかって下さって、わかっていましてね。
まず、お母さん言ってらっしゃるのは、全てお母さんの人生自体が
とっても苦労の多い人だったから。だから、それであなたは同じ目にだけは合わせたくないとか
『やっぱり出来れば安定して欲しい』という事を願うのは親の常でね。
その気持ちだった。ただ、その今美輪さんおっしゃったように、
お母さんはもうあなた自身、違う人だって事はもうわかってるんだけど。
ただ、そこでお母さん言いたい事は実は二つあるんですよ、二つ。
今日、言いたい事って二つ言ってるんですね。
その内の一つが実は、それなのに、
『あなたが一番解ってない』って言い方するの、お母さんがね。
それなのに、何で今になって『お母さんに悪い悪い』って思うの?って。
そこまで貫いたんだから、もうお母さんもちゃんと理解出来てるから。
あなたが今度はお母さんに対して『悪かった、最期にもっと看取ってやるべきだった。
もっとこんな事もしてやるべきだった』っとかって思う気持ちはすごく嬉しいよ、と。
お母さんは嬉しいけど、もうそんな事思わずあなた、そこまで貫いたんだから
あんたが『楽しかったっていう人生』にしなさいと。
“娘”っていう風に思わなきゃね、娘だからそのね、『安定して欲しい』と思ったけど、
“娘”って所じゃない、一人の女性として見たら『ああ、充分。存分に楽しみなね』ってね。
それで最期お母さん、ちゃんと見てあげられなかったとか、そんな事、もう思う必要無いし。
お母さん、もう今、体も楽だしね。それこそ、あれだけずっと働いて来て、もう体鞭打って。
いつも、もう『具合悪い、具合悪い』っていう位まで働いて来た気持ちを、
もう一切解き放たれてて『楽なんだよと、もう幸せなんだから』って。
(美輪様、太一くん、お母さんの心情を思ってか、切なそうな表情)
『お母さんはもう自分の親と一緒に居るから、とってもその安心なんだ』って。
で、お母さんはお祖母さん大好きだったからね」江原さん。
「はい」浅田さん。ああ、そうなんだというホッとしたような表情。
ほろりと目頭から涙が溢れ流れる。
『その人に今、あの懐に抱かれてるんだ』って言い方するの、ね。
それで、それが言いたいのが一つ。ね、『だから今更なんで悔やむの?』と。
あんだけケンカしたけど今度、戦友を思って悔やむっていう感じなのね。
『ここまで生きたら、どうぞ自由に存分にやりなさい』って」江原さん。
「はい」浅田さん。涙が頬を伝い流れている。
「『お母さん出来なかった分、楽しんでやる』って、思ってくれてもいいって。
そして後一つが美輪さんがおっしゃってくれた事にすごくお母さん、今感謝していてね。
要するに自分が普通じゃないって、その悪い意味じゃなくて『個性的』って言うかね。
自分とはまた違う個性、お母さんとはまたね」江原さん。
「はい」浅田さん。
「一般の人ともまた考え違うし、それを『理解して欲しい』って。うん、だから
それに従うのは嫌。でも、それをも理解しない、どっち付かずだよ、ダメよとね」江原さん。
「うん」」浅田さん。
「どうしてかって言うと、それを理解していれば。
お母さんとしては、周りの人達にみんなに大事にしてもらいたいんですって、あなたの事を。
やっぱりそれはね、お世話になってて本当に嬉しいんですって。
それはやっぱり親として、やっぱり
『あなたが(を?)大事にしてくれる人に頭下げて回りたい気持ちだ』って言うんですよ。
でも、そこで、あなた気付いて、ちゃんとわかっててくれればこそ、
あなたの方から人との付き合いの中でもね
『“私はこういう人ですから、すいません”って一言あれば、みんな違うんだよ』と。
(江原さん、目を開ける)
だから、あなた自身が自分のそういうね、個性を理解して欲しいっていう事、ね。
この二つの事、とにかく伝えたくて。『お母さん自身の事はもう大丈夫だ』と。
『悔やまないで』って言ってる」江原さん。
「はい」浅田さん。泣きながらも笑顔で
「うん。わかりました?」にっこり微笑む江原さん。
「はい」浅田さん。晴れ晴れしたかのような笑顔で何度も頷く。
「よかったね、ふふふ」美輪様。
「えへへ。よかったです、はい」浅田さん。前髪をかきあげる。
「一番それ、聞きたかったのよね」美輪様。
「はい」浅田さん。きりっとした表情に。
「今日、ここに来たのはね」美輪様。
「はい、よくケンカしてて。で、病気になっちゃって。
で、あの何か、自分の中ですごく悔いが残ってて。
まだ若かったんですね。それもあって、うん。どうしても気になってた」浅田さん。
「あと一つごめんなさい。言ってるのはね、あなたの今までね、お仕事とかで使ってたとかね。
そういう物、お母さんは何だかんだ言って、けっこう管理してたんですって」江原さん。
「そうです」浅田さん。
「それがもう、それが死んじゃって出来ないからね。
あなた、ちゃんと記念に残る物、ちゃんとしなさいよ、と。
『大事なもの、あなたの道なんだよ、道のりなんだよ』と」江原さん。
「歴史」美輪様。
「歴史なんだよと、うん。だから『それをちゃんとあなた大事にしないと、
お母さんは管理してあげられないからね』とお母さん、何だかんだ言って
あなたのやってる事反対して来たけど、ぜーんぶ大事に大事にちゃんと」江原さん。
「そうです、ええ」浅田さん。
「でしょう?」江原さん。
「ありがたいわねー、親ってね。うん、よかったね」美輪様。グスッと鼻を鳴らす浅田さん。
「うん、はあい」浅田さん。
「解り合えて」美輪様。
「ええ、はい」浅田さん。
「そう、今の中で会話も出来てるわけですよね」太一くん。
「そう」美輪様。
「浅田さんと。お母さんも今やっとわかった事もあったですよね」太一くん。
「そうそう、そうそう」美輪様。
「やっぱり、でも病気が苦しかったんでしょうかね、そうですよね」浅田さん。辛そうな表情。
「でも、苦しいって自分では言わない」江原さん。
「言わなかったですねー・・」浅田さん。
「言わない。あの絶対、こんな、自分の人生に比べたら苦しくないって、こんな病気」江原さん。
「そうかも。けっこう大変、何かね」浅田さん。涙。
「あなた達ね、乳飲み子だった時、抱えていた時一番辛かったと」江原さん。
「はあー・・」浅田さん。
「聞きたい事もいっぱい聞けて、ちょっとこう軽く」太一くん。
「はい、本当にそう」浅田さん。
「なりました?はあーそうすね」太一くん。
「うん。よかった聞いて本当にすっきりしたっていうか、うん」浅田さん。何度も頷く。
「はい、よかったですよ。お母さんの方も多分、今日すっきりした事も」太一くん。
「そう」浅田さん。
「お母さん、すっきりした」江原さん。
「お母さんもすっきりしたし。であなたもすっきりして」美輪様。
「そう、だから今日ここで現世にお母さん生きたね、ま、親子のね」江原さん。
「はい」浅田さん。
「全部整理したみたいな感じ」江原さん。
「ほおー・・」太一くん。
「過去の色んなものとね、そう別れを告げたわけ。悪いものと、よかったじゃない」美輪様。笑顔。
「はい」浅田さん。
「それでいて、7年後はね、すてきなご主人とね」江原さん。
「ほっほっほっほ!」美輪様。
「ニューヨークで展覧会などなさって」江原さん。
「その時は」美輪様。
「『今日からだんなの仕事で海外なのって』みたいな生活が
待ってるかもしれませんから」太一くん。スタッフ笑。
「はい」浅田さん。前髪を掴み、前屈み。照れる。
「さあ、さて、お呼ばれに行かなくちゃ」美輪様。満面の笑顔。
「ほんとに」江原さん。
「是非」美輪様。
「だって、キューピッドですからね、江原さんが」太一くん。
「もう大ーきなキューピッドで」美輪様。江原さん、前屈みになって苦笑。スタッフ爆笑。
【エンディングトーク】
「さあ、お二人の話を聞いていかがでした?」太一くん。
「今日は本っ当にありがとうございました。
何か何か、スーッってすっきりした」浅田さん。上から手を下ろす。
「あー・・。で、お母さんの方もすごいすっきりしたというような事もあったじゃないですか」太一くん。
「はい」浅田さん。
「それはよかったですよね。ちょっと、お母さんの中でも勘違いしてた部分もあって」太一くん。
「そう」浅田さん。
「そして、何よりあれじゃないですか!7(しち)年後、7(なな)年後」太一くん。美輪様の笑い声。
「期待してますけど。紹介して下さいね、そういう人が居たら」浅田さん。嬉しそう。
「僕が、僕にアート系の人が居るわけないじゃないですか」太一くん。
「そうだよね」浅田さん。考るような手を組む仕草。
「そうだよねって!?」太一くん。浅田さん、しまった、という感じで頭を掻く。一同大爆笑。
【浅田美代子・オーラのカルテ】
◇オーラ・・・シルバー・黄色・グリーン・赤
◇守護霊・・・お方様
◇そして・・・口は災いの元
【オーラの言葉・・・
親に感謝する気持ちは親が亡くなった後でも届きます。
例えこの世にいなくても親子の理解を深めることができるのです】